ラブアン就労ビザ(Labuan Work Permit)

LABUAN WORK PERMIT
ラブアン法人がスポンサーとなる就労ビザの取得サポート。対象ポジション、最低給与10,000 MYR、2026年6月の制度改定の影響、取得までの流れと更新要件を、Labuan FSAの一次資料にもとづいて解説します。

ラブアン就労ビザ(Labuan Work Permit)取得サポート

ラブアン法人を設立すると、その法人がスポンサーとなって、代表者ご本人とご家族のマレーシア在留資格を申請できます。これはラブアンを選ぶ最大の理由のひとつです。単に税制が有利な法人をつくるだけでなく、家族ごと生活拠点をマレーシアに移せる——この一点が、他の一般的なオフショア法人との決定的な違いです。

Avolution Trust Limited(登録番号 LL22359)は、Labuan FSA の認可を受けたラブアン信託会社として、就労ビザ申請の窓口業務を自社でお引き受けしています。要件の事前診断から書類の作成、Labuan FSA・マレーシア入国管理局とのやり取り、入国後の手続き、そして更新まで、日本語で一貫してサポートします。

ラブアン就労ビザとは

ラブアンで設立・登録された法人の役員および従業員が、マレーシアで就労・居住するための在留資格です。申請ルートが一般的なマレーシアの就労ビザとは異なり、ラブアン信託会社を通じて Labuan FSA に提出する点が最大の特徴です。Labuan FSA が審査のうえ推薦し、マレーシア入国管理局が最終的な発給を判断します。

根拠となるのは Labuan FSA が発行する「Guidelines on Work Permit Application in Labuan IBFC for Licensed and Non-Licensed Entities」(2019年4月2日施行)です。対象となるのは、ラブアン会社法(LCA 1990)、ラブアン信託法(LTA 1996)、ラブアン財団法(LFA 2010)、ラブアンLP/LLP法(LPLLP 2010)、LFSSA 2010、LIFSSA 2010 のいずれかに基づいて設立・認可・登録された法人です。

申請できるポジション

マレーシア入国管理局が指定する、以下の3区分が対象です。

区分 該当する役職の例
トップマネジメント
(Top management)
取締役会メンバー、業務執行取締役(Executive Director)、代表取締役(Managing Director)、プリンシパルオフィサー、CEO、CFO、COO
専門職
(Professionals)
会計士、弁護士、コンサルタント、アンダーライター、エコノミスト、アドバイザー、エンジニア、アクチュアリー、トレーダー(ラブアン国際商品取引会社に雇用される場合)
技術専門家
(Technical experts)
ITスペシャリスト、その他ラブアンの事業活動に関連する専門家

いずれの区分でも、申請するポジションに見合う能力または実務経験が求められ、Fit and Proper(適格性)要件の審査を受けます。審査で見られるのは誠実性・能力・判断の健全性・財務的な健全性の4点です。過去の刑事・民事上の問題、規制当局からの処分、取締役としての資格停止歴などが確認されます。

主な要件

  • 最低給与 月額 10,000 MYR(または同額相当の外貨)。基本給のほか、現金手当(諸手当・食事・交通・住居等)、現物給付、住居提供の価値、その他の報酬・歩合を合算して判定されます
  • ラブアンまたはマレーシア国内のオフィス住所。運営オフィス、コロケーテッドオフィス、マーケティングオフィスのいずれかが必要です
  • 事業計画書(事業内容の説明、組織図、申請者の職務記述書)。初回申請時に提出し、以降は内容に変更があった場合のみ
  • 雇用契約書または任命状
  • 税務番号(法人・雇用主・従業員)。マレーシア内国歳入庁から番号を取得後、30営業日以内に Labuan FSA へ提出
  • 法定宣誓書とデューデリジェンス資料(World-Check またはこれに相当する調査結果)

なお、FATF が高リスク国・地域として指定する国の出身者は、Labuan FSA による面談を求められる場合があります。

2026年6月の制度改定と、ラブアンへの影響

ここは見落とされやすい論点です。マレーシア内務省(MOHA)は2026年6月1日から外国人雇用政策を改定し、Employment Pass の給与区分を大幅に引き上げました。

区分 改定前 改定後(2026年6月1日〜) 雇用可能期間
カテゴリーI 10,000 MYR 以上 20,000 MYR 以上 10年
カテゴリーII 5,000〜9,999 MYR 10,000〜19,999 MYR 10年(後任計画の提出が必要)
カテゴリーIII 3,000〜4,999 MYR 5,000〜9,999 MYR
製造業・製造関連サービス(MRS)は 7,000〜9,999 MYR
5年(後任計画の提出が必要)

この改定を受けて、「ラブアンの 10,000 MYR 基準では足りなくなるのではないか」という懸念が広がりました。これに対し Labuan FSA は2026年6月11日付の通達(Circular No. 337/2026/ALL)で、ラブアンIBFCに定められた月額 10,000 MYR の基準は新しい給与レンジの範囲内に収まっており、引き続き Employment Pass の要件を満たすと明確にしています。

つまりラブアン法人経由の就労ビザについては、今回の改定による基準額の引き上げはありません。給与を 10,000 MYR に設定した場合はカテゴリーIIに該当します。あわせて、カテゴリーI・II・IIIのいずれの保有者もご家族を帯同できることが同じ改定で明示されています。

取得までの流れ

  1. ヒアリングと事前診断:事業内容、就任予定の役職、給与設計、ご家族の構成をうかがい、要件を満たすかどうかを先に判定します
  2. ラブアン法人の設立:就労ビザは法人がスポンサーとなる仕組みのため、法人設立が前提です
  3. オフィスの確保:ラブアンまたはマレーシア国内の住所を用意します
  4. 書類の準備と認証:事業計画書、雇用契約書、学歴・職歴を示す資料、パスポート写し等。認証は、コミッショナー・フォー・オース、公証人、公認会計士、弁護士、カンパニーセクレタリー、大使館のいずれかが行えます。英語・マレー語以外の書類は有資格翻訳者による翻訳と認証が必要です
  5. Labuan FSA への申請:当社がラブアン信託会社として窓口になり提出します。処理手数料は 1,000 MYR または 350 USD(返金されません)
  6. 承認とビザの発給:承認後、入国管理局での査証手続きを行います
  7. ご家族の帯同申請:ご本人の承認後に手続きします

更新について

  • 更新申請は有効期限の3か月以上前に Labuan FSA へ提出する必要があります
  • 更新時には銀行取引明細と、EAフォーム(年間の給与所得証明)の認証謄本が必要です
  • 処理手数料は新規と同じく 1,000 MYR または 350 USD です
  • 更新は自動ではありません。法人が休眠状態にないこと、その人材が引き続き必要であることを書面で示せることが前提になります

実務上は2年単位で発給・更新される運用が一般的ですが、有効期間は申請内容に応じて入国管理局が個別に判断します。

取得後にご注意いただきたい点

  • 承認された就労ビザは、そのラブアン法人の事業活動にのみ使用できます
  • 申請者が行えるのは、ラブアン関連法令が定める活動に限られます
  • これらに反した場合、Labuan FSA による推薦の取り消しのほか、関係当局による措置の対象となる可能性があります

「法人は置くが実体はつくらない」という設計は、実体要件(ESR)と就労ビザの双方でリスクになります。当社は、通らない設計をそのまま申請することはいたしません。

当社の強み

  • 信託会社として自社で申請できます:非ライセンス法人の就労ビザ申請は、ラブアン信託会社を通じてのみ Labuan FSA に提出できます。当社は認可を受けた信託会社であり、他社への外注を挟みません
  • 法人設立からビザ、その後の会計まで一続き:設立、オフィス、会計・監査、ビザを別々の会社に依頼する必要がありません
  • 制度改定を一次情報で追っています:上記2026年6月の通達のように、実務に直結する変更を Labuan FSA の原文で確認しています
  • 日本語で完結します:ジャパンデスク(担当:荏隈一輝)が窓口となり、現地の専門家と連携して進めます

料金の考え方

費用は、申請人数、ご家族の帯同の有無、法人設立とあわせてのご依頼かどうかによって変わります。Labuan FSA への処理手数料(1,000 MYR または 350 USD)は実費として別途かかります。画一的なパッケージ料金ではなく、状況をうかがったうえで個別にお見積りをご提示します。まずは無料相談にて、要件を満たすかどうかの診断からお引き受けします。

よくある質問

Q. 法人をつくらずに就労ビザだけ取得できますか?

A. できません。ラブアン就労ビザは、ラブアン法人がスポンサーとなる仕組みです。まず法人の設立が必要になります。

Q. 2026年6月の改定で、必要な給与額は上がりましたか?

A. ラブアンについては上がっていません。Labuan FSA は2026年6月11日付の通達で、ラブアンIBFCの月額 10,000 MYR という基準が新しい給与レンジの範囲内に収まり、引き続き Employment Pass の要件を満たすと明示しています。

Q. 家族は何人まで帯同できますか?

A. 2026年6月の改定で、カテゴリーI〜IIIのいずれの保有者も帯同が認められることが明示されています。配偶者・お子様・ご両親のどこまでが対象になるかは申請時の条件により異なるため、個別にご確認ください。

Q. ラブアン島に住む必要がありますか?

A. 居住地はラブアン島に限られません。オフィスについても、ラブアンの運営オフィスのほか、マレーシア本土のコロケーテッドオフィスやマーケティングオフィスが認められています。実際にクアラルンプールにお住まいの方が多数です。

Q. 審査にはどのくらいかかりますか?

A. 書類が揃ってからの所要期間は、申請内容や当局の状況によって変動します。期間を確約することはできかねますので、渡航予定には余裕を持たせることをおすすめしています。

Q. すべて日本語でやり取りできますか?

A. ジャパンデスクの荏隈一輝が窓口となり、日本語での資料のやり取り・ご説明が可能です。

出典

お問い合わせ

ラブアン就労ビザに関するご相談は、ジャパンデスク(担当:荏隈一輝/メールアドレス:enokuma@labuantrustco.com)まで、まずはお気軽にお問い合わせください。ご事業の内容、就任予定の役職、ご家族の構成をうかがったうえで、要件を満たすかどうかの診断と、法人設立を含めた進め方をご提案いたします。

お問い合わせフォームはこちら/関連ページ:ラブアン法人(Labuan Company)・マレーシア移住方法とビザ・会計・税務報告サービス

※本ページの制度に関する記載は2026年9月時点の情報に基づきます。法令・運用は改定される可能性があるため、個別の判断につきましては必ず専門家にご確認ください。