マレーシア国内で本格的にビジネスを展開したい方に選ばれているのが、マレーシア会社法(Companies Act 2016)に基づく通常の私的有限責任会社「Sdn Bhd(Sendirian Berhad)」です。ラブアン法人が国際的な貿易・持株ストラクチャーに強みを持つのに対し、Sdn Bhdはマレーシア国内市場での営業活動・現地雇用・就労ビザ取得を前提とした「オンショア(国内)法人」です。当社Avolution Trust Limitedは、ラブアン法人とSdn Bhdの両方に精通した専門チームが、事業目的に応じて最適な法人形態をご提案し、設立から会社秘書役・会計まで一貫してサポートします。
01 — COMPARISON
Sdn Bhdとは——制度概要とラブアン法人との違い
Sdn Bhdはマレーシア国内のあらゆる業種で事業を行うことができる、外資100%出資可能な株式会社形態です。会社法上、取締役1名(マレーシア国内居住者であることが必要)・株主1名以上、法定の最低払込資本金の定めはなく理論上RM1からでも設立可能です。ラブアン法人がラブアン金融庁(Labuan FSA)の監督下でLBATAに基づき優遇税率3%が適用されるのに対し、Sdn Bhdはマレーシア内国歳入庁(LHDN)の管轄でマレーシア所得税法に基づき通常の法人税率が適用され、国内市場での売上・サービス提供にはSST(売上・サービス税)の対象にもなり得ます。2026年8月時点で標準法人税率は24%、要件を満たす中小企業(払込資本金RM250万以下等)についてはRM60万までの所得に17%の軽減税率が適用されます。サービス税(Service Tax)は年間売上RM50万超のサービス提供事業者に対して8%課税されるのが原則です(業種により税率は異なります)。
02 — WHO IT SUITS
メリット・こんな方におすすめ
- マレーシア国内で店舗・オフィスを構えて営業する事業者:小売・飲食・コンサルティング・IT開発など現地顧客を対象とするビジネス
- マレーシア駐在・就労ビザ(Employment Pass)を取得したい経営者:Sdn Bhdは現地雇用実態を作りやすく、就労ビザの取得母体として適しています
- マレーシア現地企業・政府機関との取引実績を重視する方:オンショア法人であることが取引先からの信用につながるケースが多くあります
- ラブアン法人のESR(実体要件)を満たす体制構築が難しい方:Sdn BhdにはESRのような特別な実体要件はなく、通常の会社運営で足ります
逆に、事業の大半が海外完結型(国際貿易・持株のみ)であれば、税率面ではラブアン法人の方が有利になるケースが一般的です。マレーシア国内での事業実態の有無によって最適な法人形態は大きく変わるため、判断に迷う場合はぜひご相談ください。
03 — COMPARISON
ラブアン法人とSdn Bhdの比較
| 項目 | ラブアン法人 | Sdn Bhd |
|---|---|---|
| 管轄・法令 | Labuan FSA/LBATA | LHDN/マレーシア所得税法 |
| 法人税率(2026年8月時点) | 貿易活動3%/非貿易活動は原則非課税 | 標準24%(中小企業はRM60万まで17%優遇) |
| 事業範囲 | マレーシア国外を主とする国際事業向け | マレーシア国内事業も自由に展開可能 |
| 実体要件 | ESR(現地雇用2名以上・年間MYR5万以上の経費等) | 特別な実体要件なし(通常の運営で可) |
| SST(売上・サービス税) | 原則対象外(国際事業中心のため) | 該当する事業は課税対象 |
| 向いている用途 | 国際貿易・持株・資産管理 | マレーシア国内営業・現地雇用・就労ビザ取得 |
04 — PROCESS
設立の流れ
- ステップ1:無料相談・事業目的のヒアリング 国内営業か国際事業かによって最適な法人形態をご提案
- ステップ2:会社名予約(SSMへの申請) 商業登記庁(Suruhanjaya Syarikat Malaysia/SSM)にて社名を確認・予約
- ステップ3:定款・設立書類の作成 取締役・株主のKYC書類をもとに設立関連書類一式を準備
- ステップ4:SSMへの法人登記 通常5〜14営業日程度で登記完了
- ステップ5:会社秘書役の選任 登記後30日以内に有資格の会社秘書役(当社が対応可能)を選任する法定義務があります
- ステップ6:法人銀行口座の開設・税務/SST登録 事業内容に応じて所得税・SSTの登録を行います
05 — COST
必要書類・費用感
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 取締役・株主の本人確認書類 | パスポート写し、直近3か月以内の住所証明書類 |
| マレーシア居住取締役の手配 | 現地居住取締役が不在の場合、当社にてノミニー手配のご相談が可能です |
| 設立初期費用の目安 | SSM登記料・会社秘書役・登録住所を含め、概ねRM8,000〜25,000程度(約32万円〜99万円、2026年8月時点1MYR≒39.6円換算) |
| 年間維持費用の目安 | 会社秘書役(RM1,200〜4,800)・登録住所(RM1,200〜3,600)・監査費用(RM3,000〜8,000)等を合算し、年間RM8,000〜20,000程度 |
費用は事業規模・業種・必要な許認可の有無によって変動します。正式なお見積りは個別事業内容をお伺いした上でご提示します。
06 — IMPORTANT NOTES
税務上の注意点
Sdn Bhdはマレーシア国内で完結する通常の法人であるため、日本の税制上の取り扱いも比較的シンプルですが、日本居住者が役員報酬・配当を受け取る場合は日本側での申告が必要です。また、現地での雇用が発生する場合はEPF(従業員積立基金)・SOCSO(社会保障機構)等への加入義務が生じます。税務・労務いずれも個別の事業内容により対応が異なるため、断定的な節税効果を謳うものではなく、詳細は必ず個別にご相談ください。
07 — FAQ
よくある質問
Q. 日本人だけでSdn Bhdの取締役・株主になれますか?
A. 株主は日本人のみで問題ありませんが、取締役は最低1名マレーシア居住者である必要があるため、居住者の確保または手配が必要です。
Q. ラブアン法人とSdn Bhd、両方を持つことはできますか?
A. 可能です。国際事業をラブアン法人、国内営業をSdn Bhdで担うグループ構成を組む企業も多くあります。
Q. 就労ビザ(Employment Pass)は自動的に取れますか?
A. Sdn Bhd設立と就労ビザ取得は別手続きです。資本金・事業計画等の要件を満たす必要があるため、あわせてご相談ください。
